会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

会場での音響チェックの原点 変わらないバンド愛、音楽愛

プロダクションとコンサートプロモーター 業態のカテゴリーなき時代の役割とは?

撮影:宇都宮輝(鋤田事務所)

「会場のキャパシティの上限があって、 今後の市場の拡大は難しくなってくるのは確かです」(中西)
「会場の問題はACPCと音制連が一緒に考え、 行動していくことが大事になると思います」(大石)

ライブ・エンタテインメントは多くの人達が関わることで生み出されていくものですが、その中核に位置するのがプロダクションとコンサートプロモーターであることは間違いありません。アーティストを支える両者のパートナーシップが、新たなステージを作り上げていく原動力になることは、今後も変わらないでしょう。中西健夫ACPC会長の連載対談、2014年の初回にお招きしたゲストは、日本音楽制作者連盟(以下、音制連)の大石征裕理事長です。音制連の会員プロダクションは、歴史的にもACPC加盟社とともに歩んできたといえる社が多いですが、大石理事長と中西会長も「同じ屋根の下」から音楽業界でのキャリアをスタートさせました。ユイ音楽出版とアルファムーンレコードの傘下で、44マグナムをメジャーデビューさせるために上京した大石理事長と、当時、ユイ音楽工房も出資していたディスクガレージに入ったばかりの中西会長。二人の出会いから、現在のライブ・エンタテインメントの問題点までを、じっくりと語り合っていただきました。

中西:大石さんと知り合った頃、僕らは一応、同じ系列のグループにいたということになりますよね。

大石:同じ屋根の下にいました。大阪から東京へ出てきたら、中西さんが先輩でいらして。

中西:あの頃は同じフロアにいましたが、そんなに会話はなかったですよね。

大石:雰囲気が違う先輩と後輩ではありました。僕は風体もヘヴィメタル、発言もメタルっぽかったですが、中西さんはどちらかというとフォークな感じで、柔和な楽しい雰囲気でしたから。

中西:僕もそうですが、もともとはバンドをやっていたんですよね。

大石:子供の頃はオルガンを弾いていたんです。中学2年生くらいからバンドに誘われ始めて、色々な楽器をやっているうちに、だんだん裏方に興味が出てくるんです。最初に思ったのは、バンドの音を良くしたいということでした。

中西:レコーディングの時や、コンサートのPAで。

大石:きっかけは高校の文化祭のPAです。普通、バンドのメンバーであれば、音響のことは面倒だし、やりたがりませんが、それを全部引き受けるベーシスト気質だったんですよ。

中西:大石さんの人生はヴォーカリストっぽいと思いますが、気質はベーシストなんですね(笑)。でも、その頃の姿勢は、今も変わっていないと思います。大石さんが手掛けているアーティストのライブ会場に行くと、だいたいミキサーのところにいて、音をチェックした後、指示を出しているシーンを見かけます。

大石:確かに今でもやっていますね。

中西:プロダクションの方は皆さん同じだと思いますが、特に大石さんからはバンドや音楽に対する愛を感じるんですよ。

大石:また、そんなお褒めの言葉をいただいて(笑)。

中西:いや、ホントに。少なくとも音のクオリティに厳しいことは確かじゃないですか。

大石:まあ、音についてはそうですね。日本では、欧米のようなヘヴィメタル/ハードロックの音を録るのが難しかったんです。70年代、80年代だと、機材の問題もありましたし。それと日本のレコーディング・スタジオのスタッフは、クラシック出身の方が多くて、どちらかというとオーケストラの録音がメインだったり、アコースティックな音をフラットに録るのが上手いんです。僕らが目指していたのは、高音域と重低音が強調された、いわゆるドンシャリで録ることで、これがなかなか難しかった。だから余計に音響に興味を持ったんだと思います。


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