
PROFILE まつだ・まこと
1994年に舞台制作会社、ネルケプランニングを設立。現在、年間数十タイトルにも及ぶ数多くの舞台作品のプロデュースや制作を行う。また演劇以外にも多方面で新しいエンタテインメントを仕掛けている、日本のステージコンテンツビジネスのトップランナーの一人である。代表作は、『ロミオ&ジュリエット』、『ロックオペラ モーツァルト』他。2003年よりミュージカル『テニスの王子様』シリーズのプロデュースをはじめ、ミュージカル「黒執事」、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」、ミュージカル『刀剣乱舞』などの作品を手掛ける、2.5次元ミュージカルの先駆者。
中西:今、ACPCを含めて音楽業界を挙げて取り組んでいるのは、チケットの不正売買の問題なんです。転売サイトではコンサートのチケットが信じられないような高値で取引されていることが常態化していますが、2.5次元ミュージカルでも悪質な事例がありますよね。
松田:数え切れないほどあります。演劇では一定期間、同じ会場で公演を続ける場合が多いですが、その中で特に千秋楽の舞台の人気が高いんです。結果的に楽日のチケットがプレミア化して、ネット上で転売されてしまう。何十万という高値で売りに出されることが当たり前になってしまっています。これはもう大問題で、お客さんからもたくさんクレームをいただくんですよ。「なんとかしてください」と。自分はこの舞台に大きな思い入れがあって、なんとかチケットを入手しようとがんばっているのに、転売のためにチケットを買い占めてしまう人達がいたら、それは許せないですよ。運営側でも会場で本人確認をするとか、様々な手段は講じていますが、すべてを排除することは現実的に難しいですね。
中西:転売の問題は、日本2.5次元ミュージカル協会の皆さんとも一緒に取り組んでいきたいと思います。
松田:各社の自己防衛だけでは無理ですので、団体同士、一緒に何か対策を考えていきましょう。
中西:まずはアーティストやフェス、イベントの連名で意見広告(参照)を出すところからスタートしましたが、これからはより具体的な対策をとっていく必要があります。とにかくこの状況を放置しておくわけにはいきませんから。