会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

ライブ・エンタテインメント業界人必読!
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。

書籍名:新・マスメディア時代のポピュラー音楽を読み解く

著 者:東谷護

出 版:勁草書房


すべてが始まった場所

今号の連載対談からは「音楽と人が出会う場所」の重要性が伝わってきた。カフェだけではなく、ナイトクラブや音楽喫茶、楽器店、レコード店などが時代ごとに人と音楽を結びつけてきたことは事実である。

戦後日本のポピュラーミュージック史には、明らかに起点となった場所がある。それは占領期に日本各地の米軍基地内に設置されていた進駐軍クラブである。最も多い時で全国に約500あったという進駐軍クラブでは、米兵のために飲食に加えて娯楽も提供されたが、中でも人気を集めていたのはバンド演奏や音楽ショー。本国から慰問で訪れるミュージシャン達だけでは足りず、日本人バンドやシンガーも多く出演し、出演者のブッキングを担うマネージャー的な存在もいた。その中から戦後の一大ジャズブームを牽引することになるミュージシャン、日本のエンタテインメントの基礎を形づくった音楽プロダクションやコンサートプロモーターの創業者が輩出されたことはよく知られている。

ただし、オフリミットの場所だっただけに、進駐軍クラブでの「音楽と人の出会い」を記録した資料は少ない。本書『マスメディア時代のポピュラー音楽を読み解く』の第5章から7章、そして同じ著者による『進駐軍クラブから歌謡曲へ―戦後日本ポピュラー音楽の黎明期』(みすず書房)が貴重な文献であることは間違いない。


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