会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

ライブ・エンタテインメント業界人必読!
コンサートプロモーターが今、読むべき本を毎号紹介します。

書籍名:江戸の幽明 —東京境界めぐり

著 者:荒俣 宏

出 版:朝日新書


「街」の喪失は東京も同じ

全国の商店街・繁華街に元気がなくなっていることは、中西健夫ACPC会長の連載対談でも度々語られている。「シャッター商店街」と呼ばれ、多くの店舗がほぼ「開店休業」の状態に陥っていたり、長年地元で愛されてきた店が駅前に並ぶのではなく、全国チェーン店が目立ち、「どこも代わり映えがしない風景」になりつつある。

そして、見落とされがちだが、実はこの問題、東京にも及んでいる。例えば私鉄沿線の主要駅、JR各線の駅でも少し都心を離れると、あまり個性の感じられない風景が駅前に広がっていることがある。いつの間にかランドマーク的な店舗が姿を消していて、気づいた時にはもとの街の姿を思い出せなくなっている場合も多い。
歴史に根付いた東京の街の個性とは、本来どんなものだったのだろうか。その疑問に答える一冊が、今号でご紹介する『江戸の幽明―東京境界めぐり』である。本書は江戸の御府内と郊外の境界線をテーマにしており、いわゆる「江戸本」ではあまり取り上げられない、練馬、板橋、王子、千住などの「本来の姿」を、博覧強記の荒俣宏氏が観察眼を駆使して描き出している。こういった本を今、東京に暮らしている人々が好んで手に取っているとするなら、街が姿を変え始めている証なのかも知れない。


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