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「何でもあり」のニコニコ超会議に10~20代が集まる理由

2日間で15万2 561人動員。ネット×リアルで日本最大級の複合イベントに

4月29日、30日に千葉・幕張メッセ国際展示場1~11ホールおよびイベントホールで開催されたニコニコ超会議2016。人気動画投稿サイトのニコニコ動画から生まれたイベントで、主催者はニコニコ超会議実行委員会。会場を訪れたのが15万2561人、ネットで視聴した人数は554万8583人と発表されました。

前売りチケットが1日1500円、2日通し券でも2500円と安価に抑えられていたこともあり、会場内の様子を見る限りでは、10~20代が来場者の過半数を占め、男女比はほぼ半々。コスプレ姿の来場者も数多く見受けられました。

会場には通信インフラ、携帯キャリア、航空会社、自動車や音響機器のメーカー、放送局、出版社、証券会社、アニメ・漫画・ゲーム関係など、多くの企業ブースが並びます。各社は最新技術を披露するだけでなく、ニコニコ動画のコンテンツと関連付けた展示も行い、たとえばユーザーがパフォーマンス動画を投稿する「歌ってみた」「踊ってみた」といった各カテゴリーと企業の製品がコラボレートし、ブースに設置されたステージでパフォーマンスを行うなど、エンタテインメントに寄せた演出も目立ちました。

ボーカロイド関連のグッズ販売、人気ユーザーによる生放送、ニコニコ動画と縁の深いシンガー・DJ・ヴィジュアル系バンドによるライブ、ミュージシャンが自身の趣味(鉄道など)を活かした展示といった作り込まれたコンテンツがある一方、イラスト描き・コスプレ・カラオケ・ダンス・楽器演奏・歌唱などは誰でも参加できるステージが設けられて、プロとアマチュアが混在した、何でもありのネット文化らしい構成です。

QVCマリンフィールドで開催されるプロ野球の公式戦を「超野球」と題して提携したり、地方自治体や警視庁、自衛隊もブースを設けたほか、主要政党がアニメキャラのプリントされた選挙カーで演説を行うなど、超会議が若年層ユーザーへのアプローチの場として高く注目されていることが窺えます。

過去には大相撲の巡業が開催されましたが、今年は初音ミクと中村獅童をフィーチャーした「超歌舞伎」が目玉となり、囲碁・将棋の有名棋士が多数のユーザーと同時対局するなど、日本の伝統文化を新たな角度で捉え直す試みもありました。

ユーザー参加型の熱気と、企業コラボレーションを活かしたイベントのあり方は、今後さまざまなジャンルやエリアにも広がりそうです。

(写真左より)「超ニコVじゅLIVE」と題されたヴィジュアル系バンドによるライブも開催。企業ブースには<真空管ドールズ×ソニー・ミュージックエンタテインメント>や<Roland×「太鼓の達人プラス」>など音楽関連企業の出展も ©niconico


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