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出演者や運営に障害者、スタッフはコンサート・イベント科の学生 GCグランドフェスティバルが目指す「共生社会」

10月19日、GCグランドフェスティバル2019が東京・豊洲PITにて開催されました。この公演は制作や運営に多数の障害者が関わる音楽イベントで、2013年のスタートから今年で5回目を迎えます。その成り立ちから、ライブ・エンタテインメントのバリアフリー化だけでなく、共生社会(これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会)に向けた取り組みのひとつとして、さまざまなメディアでも採り上げられていました。
 主催者はGCグランドフェスティバル実行委員会とNPO法人日本バリアフリー協会の2社で、ACPCも多くの関連団体とともに後援しています。当日の会場運営を行うオフィシャルスタッフは、ACPC賛助会員でもある日本工学院八王子専門学校ミュージックカレッジよりコンサート・イベント科の学生たちが務め、多くのお客様やスタッフと接する研修の場にもなっていました。

2ステージで多彩な演目

当日は豊洲PIT外の芝生広場に設けられた「Open Airステージ」に、飯田華那&牧田悠有、佐藤翔、Mr.フレイム、しょぎょーむじょーブラザーズ、口石和人が出演。三味線&書道パフォーマンスやマジック、ダンス、ギター弾き語りと多岐にわたる演目が繰り広げられました。出演者にも障害者と健常者が入り交じり、垣根のないラインナップがイベントのあり方を象徴しています。

Open Airステージの周辺では、障害のある方々が作っているお菓子や雑貨等を販売する「フュージョンマーケット」が開かれ、パラ・パワーリフティングやセーリングといったパラスポーツ団体が競技体験の提供もしており、様々な工夫が施されていました。

豊洲PITステージ」には向井秀徳アコースティック&エレクトリック、七尾旅人、渋さ知らズオーケストラの3組が登場。会場はスタンディングですが、会場の上手・下手それぞれの前方に障害者スペースが設けられ、車椅子ユーザーや杖を持った来場者、介助者らが椅子に座ってステージを観ることができていました。

「敷居の低さ」が特色

この日特徴的だったのは、ファミリー層の来場者がとても多く、子供達がアーティストのパフォーマンスに触れる貴重な機会にもなっていたことです。通常のコンサートでは、家族連れでも参加しやすいとは限りませんが、この日は入場無料で、豊洲PITの会場後方に椅子席が設けられるなど、どんな人にとっても参加しやすい、敷居の低さが徹底されていました。これは障害者対応に留まらない、ライブのユニバーサルデザインのひとつのあり方でしょう。GCグランドフェスティバルのさらなる発展が期待されます。

▲多様な出演者が登場したOpen Airステージ。ステージ周辺にはパラパワーリフティングを体験できるコーナーやフュージョンマーケットも/撮影:アンズフォト


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