会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

全国に広がるACPC加盟社は、地元エリアの地域性、これまで歩んできた道程によって、各社のカラーがさまざまに分かれています。本連載では毎号、ACPC正会員社が持つオリジナルのプロモート術、会社を支えるスピリット、そして時には多忙な日々を乗り越えるための「遊び」まで、各社の「独特ポイント」をご紹介していきます。

(株)キャピタルヴィレッジ
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-20-3 東栄神宮外苑ビル3F
TEL03-3404-7500
FAX03-3404-2850
URLhttp://www.capital-village.co.jp/
代表者代表取締役 荒木伸泰
設立1981年5月
業務エリア関東を中心に全国
主な自主企画公演松任谷由実 SURF&SNOW in Naeba、品川教会グローリアチャペルクリスマスコンサート 他

非日常性があるシチュエーション 音楽の先に「風景が見えるライブ」

お話を伺った塩川智章さんとオフィススペース。写真右は入口に飾られた「松任谷由実 SURF&SNOW in Naeba」の記念すべき第1回のポスター
撮影:小嶋秀雄

ライブ+旅行業

前頁の連載対談でも語られているように、今後、ライブエンタテインメントの全国市場のさらなる拡大を目指すなら、「ライブと観光」の組み合わせが一つのキーワードになりそうです。2月に35回目が終了した「松任谷由実 SURF&SNOW in Naeba」を始め、シチュエーションにこだわった公演を長年にわたり手がけてきたのがキャピタルヴィレッジ。観光とのコラボというと大規模なものを想像しがちですが、同社は規模の大小を問わず、「いい雰囲気」のライブを企画制作することに長けているといえるでしょう。また、旅行業登録もしていて、コンサートチケット付ツアー、ファンクラブツアーも企画しています。この独特のスキルは会社のカラーもさることながら、個々のプロモーターの志向性によっても培われているようです。同社の塩川智章さんに伺いました。

塩川:僕が考えるコンサートプロモーターの仕事とは、アーティストとの共同作業です。アーティストと一緒にアイディアを出し合い、当日は舞台監督をやることもあれば、PAや照明もまとめる。そういったトータルなプロデュースの延長線上に会場を押さえることも、プロモーションやチケットを売ることもあると思います。その中で自分がこだわりたいと考えているのは、言葉にすると難しいですが「風景が見えるライブ」なんです。普通のホールだとなかなか実現しにくい面もあるので、会場のシチュエーションをあまりライブが行われないような場所にして、非日常性を感じてもらいたいと思っています。10年以上担当させていただいているピアニストの西村由紀江さんであれば、鎌倉のシーサイドピアノコンサート(鎌倉プリンスホテル バンケットホール七里ヶ浜)がそうですし、横浜の赤レンガ倉庫でやるコンサートも非日常的、非現実的な雰囲気があります。

首都圏以外では、近畿日本ツーリストさんと共同で、東日本大震災の被災地に足を運んでいただくことを目的の一つとして企画した「音楽(おと)のある東北」。これは例えば、永井龍雲さんが太宰治の生家である青森県・五所川原市の斜陽館、南佳孝さんが岩手県・盛岡市のもりおか啄木・賢治青春館と、参加アーティストがそれぞれ東北のメモリアルな場所でライブをやる企画で、宿泊とセットになったツアーも販売しています。こういった企画はやはりアーティストと観光名所の組み合わせが重要ですが、永井さんは太宰のファンだったのでこの場所を選び、南さんの会場も彼の音楽性とぴったりのムードでした。

お二人は弊社の所属アーティストですが、その他にも2013年と2014年で因幡晃さん、宇崎竜童さん、尾崎亜美さん、海援隊、庄野真代さん、白鳥恵美子さん、ひめ風!?(南こうせつ、伊勢正三)、細坪基佳さん、山本潤子さん(以上、五十音順)といった幅広いアーティストが参加してくれました。もちろんライブの最終的な魅力は、演者であるアーティストの音楽に尽きると思いますが、もし音楽の向こうに背景が見えてくるようなライブになれば、よりお客さんに楽しんでいただけると思います。会場に向かうところからお客さんが様々な思いを抱いてくれたり、ワクワク感が始まるようなライブを今後も手がけていきたいですね。

幻想的なムードに包まれた鎌倉プリンスホテル バンケットホール七里ヶ浜での西村由紀江の公演。写真右は「音楽(おと)のある東北 TOHOKU WITH THE MUSIC 〜みんなあの時のまま音楽祭〜」で会場に使われた斜陽館。畳の間にも座布団で座席を設置


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