会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

全国に広がるACPC加盟社は、地元エリアの地域性、これまで歩んできた道程によって、各社のカラーがさまざまに分かれています。本連載では毎号、ACPC正会員社が持つオリジナルのプロモート術、会社を支えるスピリット、そして時には多忙な日々を乗り越えるための「遊び」まで、各社の「独特ポイント」をご紹介していきます。

(株)アイエス
〒160-0004 東京都新宿区四谷3-7 無三四堂ビル7F
TEL03-3355-3561
FAX03-3351-1596
URLhttp://www.aiesu.co.jp/
代表者代表取締役  相談役 伊藤喜久雄 取締役社長 名倉正典
設立1969年12月8日
業務エリア全国
主な自主企画公演舟木一夫、都はるみ、五木ひろし、天童よしみ など各コンサート、ゆかり・ミエ・まり三人娘メモリアルコンサート、遠藤実メモリアル音楽祭、梅沢富美男公演、早乙女太一公演、大衆演劇祭り、NHK朝の連続テレビ小説舞台化 など

「グロリアスシックスティー」の心をイントロから3秒で魅了するには

デスクに座る伊藤相談役。オフィスの奥にある仕事スペースには、社員に向けた直筆メッセージが貼られている
撮影:小嶋秀雄

ヒット曲の聴かせ方

高齢化社会が進む日本のライブ・エンタテインメント業界において、60代以上の観客から支持される公演を継続的に用意することは、大きなテーマの一つ。この課題を、豊かな企画力と独自のマーケティング理論で見事にクリアしているのが、今号でご登場いただくアイエスです。「今日、最も輝ける世代=グロリアスシックスティー」と名付けたターゲットに、確実に標準を絞ったコンサートや演劇をラインアップする同社の相談役であり、80歳を迎えても現役のプロモーターであり続ける伊藤喜久雄さんにお話を伺いました。伊藤相談役が長年のキャリアから培ってきた「60代以上の観客の心をつかむポイント」とは?

伊藤:私たちが手がけている公演のターゲットは、主に60〜70歳のご婦人で、最近は少しずつ男性も増えてきています。公演の基本になるのは、40〜50年前に20歳だったお客様が、当時聴いていたり、一緒に歌っていたヒット曲です。受動的かつ能動的に愛されたヒット曲は、しっかりと大衆の記憶に残っています。そこを刺激してあげると、懐かしさが溢れてきて、青春時代が蘇ってくる。イントロが3秒流れた途端に、40年前に戻ることができる。だから歌手の皆さんには、いつも「当時の譜面通りに歌ってください」と申し上げているんです。バックも生演奏で譜面通り。お客様の記憶と違うアレンジでは、あの時代に戻れなくなってしまうんです。


マーケティングのポイントを具体的にお話しすると、例えば舟木一夫だったら「コケットリー」。昔でいう「科(しな)」ですね。舟木君は自然に科をつくることができるから、いつまでもご婦人方の青春時代の感情を呼び起こすことができるんです。梅沢富美男の大衆演劇であれば「幼児体験」。大衆演劇には、60〜70歳の方々が子供の頃に体験した、地元のお祭りや寄席などの娯楽の要素が詰まっていますので、潜在的に惹きつけられる面があると思います。それと、昔は考えられなかった組み合わせを、ステージで実現することも大事。五木ひろしと都はるみが組んだコンサートや、舟木一夫、西郷輝彦、三田明の青春歌謡3人組「SK3」の公演などがそれに当たります。こういった公演は、お客様の動員が1+1+1=3ではなく、3×3=9の倍率で増えていきます。

歌手の方々の後援会と協力関係を築くこともポイントです。舟木君の場合、一時期3万人いた後援会が、2000人くらいまで減ってしまったことがありましたが、後援会主催の公演を企画して、財務的にも独り立ちできるように、私たちがお手伝いをしたことがありました。現在は約1万人会員がいて、後援会だけでチケットの売れ行きが読めるようになりました。

公演のプロモーションは、今も新聞の告知が強いですね。それとポスター、チラシを作ることも欠かせません。お客様の年齢層を考えると、やはり「紙」が一番目に触れやすいのだと思います。これから50代、60代になっていく人たちは、インターネットもスマホも使えようになるので、告知の方法は新しくなっていくと思いますが、ステージからお届けする音楽は、今後も変わらないと思います。

社内で目立つのは公演のポスターと記事や名言の切り抜き。もちろん業務にはパソコンも駆使されているが、やはり「紙」で伝えるのがアイエス流


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