会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

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「第6回ライブ・エンターテイメントEXPO」のセミナーで、スポーツ×ライブの新機構「ECSA」設立がアナウンス

日本最大規模のライブ・エンタテインメント産業の展示会「第6回ライブ・エンターテイメントEXPO」が2月27日から3月1日の3日間、幕張メッセにて開催されました。「イベント総合EXPO」「地方創生EXPO」「スポーツビジネス産業展」も同時開催される中、27日にはACPCライブ・エンタテインメント ラボの長井延裕客員研究員の司会進行のもと、「スポーツとライブ・エンタテインメントが生むシナジー」をテーマに、日本トップリーグ連携機構の田口禎則理事・事務局長、ACPCの田山順一理事が登壇したセミナーが行われました。このセミナーの開催は、両団体共同による一般社団法人Entertainment Committee for STADIUM・ARENA(ECSA/エクサ)の設立をアナウンスすることを主な目的とし、「ECSAは何を目指して、今後どんな活動していくのか」を中心に語られました。

▲壇上で発言するACPCの田山順一理事

まずはスポーツ界とライブ・エンタテインメント側が、お互いを必要とした理由を「スポーツ界にはまだまだ競技間、プロとアマチュア間の壁が存在していて、どのアリーナを借りるかなど競技団体同士の情報交換がほとんどない状態です。エンタメの世界の方々は、一度の興行に力を結集させ、マーチャンダイジングを含めて最大限の価値を生み出すことを考えていらっしゃるので、勉強になる点が多いです」(田口理事)、「プロスポーツでは毎週のように試合が行われ、多くの観客が集まっています。習慣性、継続性という意味では、逆にコンサートプロモーターがスポーツ界に学ぶべき点はたくさんあります。それと日本トップリーグ連携機構もACPCも全国組織ですので、両者が力を合わせる意義は大きいと思います」(田山理事)と説明。

▲会場で配られたECSA設立を伝えるパンフレット

その上でECSAの目指す活動が「競技をする側ではなく、あくまで来場してくださる観客の皆さんの目線で使いやすく、その地域ならではの楽しみが提供できるアリーナが、我々も計画段階から協力させていただいて、全国に誕生すれば理想的ですね。例えば女性用のトイレが必要なだけあるかなど、細かい点をチェックするだけでも、だいぶ印象は変わってくるんじゃないでしょうか」(田口理事)、「既存のスポーツ施設は、コンサートでの使用を想定して建設されていない場合が多いんです。機材の搬入や電源の配備を考慮するだけでもコストが大きく違ってきます。そういった設備の問題以外でも、私達が交通手段や地域性を踏まえた意見を最初から出せれば、この場所にアリーナをつくること自体が良いことなのかどうか、どうすれば利用者が増えるのか、様々な可能性を探れると思います」(田山理事)と語られ、スポーツとライブが共存し、観客の皆さんが満足できるアリーナ/スタジアムを全国に増やしていくためのヴィジョンが示されました。


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