会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

客席の声から感じられる日本の音楽への関心の高さ

台湾へ届いた音楽のチカラ、ライブの感動

写真は会場に集まった観客の姿

日本の音楽のチカラを、世界中の人々に知ってほしい―その願いを込めて、ライブを通して日本のポピュラーミュージックを発信し続けるイベント「JAPAN NIGHT」。ACPCも実行委員会の一員として参加している同イベントは今年、ジャカルタ、台湾、ロンドンと海外公演を行いました。そのうち5月23日に行われた「JAPAN NIGHT in TAIPEI」の会場で、現地の観客の声を集め、出演した3組のアーティストが、どのように台湾で受け入れられたかをレポートしました。

公演当日の台北は、あいにくの雨。夕方以降はかなり強い雨が降り続き、すでにチケットはソールドアウトになっていたとはいえ、台湾独特の当日返金システムもあり、客足が心配された。しかし、それは杞憂にすぎず、会場である台北大学綜合體育館の周辺は開演1時間前、17時の開場時間には入場を待つ人々で溢れていた。聞けば、会場の外に設置された物販スペースが14時に販売を開始するタイミングを目指してファンが集まり始め、会場のフリースペースで横断幕に寄せ書きをするなど思い思いにライブ前の時間を楽しんでいたそうである。

改めて客席を見渡してみると、観客の年齢層は20~30代が中心、男女比は3:7くらいか。中にはVAMPS、あるいはthe GazettEのファンと思われる、ダーク&スモーキーなメイク、ゴシック風のファッションの女性も数多く見受けられた。

開場後、スタンディングで約3500キャパの客席に足を踏み入れ、ファンの声に耳を傾けてみた。まずは34歳と22歳の姉妹。姉の仕事はサービス業で、妹は大学生とのこと。仲良くおしゃべりしていたところに声をかけると、the GazettE風のメイクの2人が口々にこちらの質問に答えてくれた。

「そうです、2人ともthe GazettEの大ファンなんです。動画サイトで偶然見つけて好きになりました。最初はヴィジュアルから入ったけど、今はじっくり曲を聴いています。

台湾のロックもフェスなどで楽しんでいますが、日本のバンドとの違いは感じますね。台湾ではロックでもラブソングが多い。日本のバンドには本当に色々な歌詞があって、そこが日本のオリジナリティだと思います」

公演前日には現地メディアとの交流を目的としたレセプションが行われた

The BONEZのヴォーカル&ギター、JESSEが客席に飛び込み、このパフォーマンス


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