
お話を伺った迫田遊馬さんとオフィススペース。写真右は高松市丸亀町にあるDUKE SHOP 高松店の外観。店頭看板に「DUKE」とだけ掲げられているところに、ブランド名としての定着が伝わる
撮影:小嶋秀雄
一般社団法人コンサートプロモーター協会
サイトTOP>会報誌 ACPC navi>SUMMER 2015 VOL. 26>今号の加盟社 四国:(株)デューク 高松オフィス
会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。
全国に広がるACPC加盟社は、地元エリアの地域性、これまで歩んできた道程によって、各社のカラーがさまざまに分かれています。本連載では毎号、ACPC正会員社が持つオリジナルのプロモート術、会社を支えるスピリット、そして時には多忙な日々を乗り越えるための「遊び」まで、各社の「独特ポイント」をご紹介していきます。
TEL | 087-822-2520 |
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FAX | 087-822-2518 |
URL | http://www.duke.co.jp/ |
代表者 | 代表取締役 玉乃井欣樹 |
設立 | 1976年5月27日 |
業務エリア | 香川・愛媛・高知・徳島 |
主な自主企画公演 | MONSTER baSH、SANUKI ROCK COLOSSEUM 他 |
お話を伺った迫田遊馬さんとオフィススペース。写真右は高松市丸亀町にあるDUKE SHOP 高松店の外観。店頭看板に「DUKE」とだけ掲げられているところに、ブランド名としての定着が伝わる
撮影:小嶋秀雄
四国の音楽シーンにおいて、デュークが担っている役割は想像以上に大きいといっていいでしょう。四国4県のうち3県に置かれたオフィスが独自に行うコンサートプロモーター業務、CD店DUKE SHOPの運営、そして全拠点のスタッフが力を結集するロック・フェス、MONSTER baSHの主催……四国全域をフォローしつつ、各県への密着度も高いデューク独特のビジネス・スタイルの秘密を同社の制作部・迫田遊馬さんにお聞きしたところ、すべての源泉は創業以来のスピリットにありました。
迫田:弊社の業務のベースにあるのは、創業者の宮垣(現取締役会長)から受け継がれた「なんでも自分達でやろう」という精神です。高知、松山、高松と3店舗のDUKE SHOPがあることも、そういった姿勢の表われだと思います。コンサートプロモーターでありながら、CDショップを運営していて、コンサートチケットも取り扱う。DUKEの名のもとに、自分達の力であらゆる音楽コンテンツを発信することが目標です。四国はエンタテインメント全般の情報量が豊富なエリアではないですが、DUKE SHOPが新たな音楽と出会うための入口になれればいいですね。そのためにCDとチケットの販売連動、主催興行アーティストのCD即売、インストアライブの企画など、僕ら制作の人間とショップのスタッフが協力し合って、色々な試みを続けていきたいと考えています。
「なんでも、自分達で」の精神は通常のプロモーター業務にも活かされていると思います。弊社はショップだけではなく、オフィスも高知、松山、高松にあって、各県にいるスタッフが地元のメディアやお客さんと常に直接コミュニケーションをとって、プロモーションから制作までを進めています。僕はこのやり方が当たり前と思っていましたが、他のエリアのプロモーターの方に聞くと「各県にオフィスを持つなんて効率が悪くないですか?」と指摘されます。それも確かに正論だという気もしてきますね(笑)。
通常は各県に分かれて仕事をしているスタッフが「全員野球」で臨むのが、昨年15周年を迎えたMONSTER baSHです。もともとは、全国ツアーでも本州どまりで四国にはなかなか来られないアーティストもいる状況の中で、どうやって四国のライブシーンを盛り上げるか、どうやって単独ツアーでも四国でコンサートができるきっかけを作るか―というところからスタートしました。お陰様で、関係各社や地元の皆さんのご協力をいただきながらも、単独で主催・企画・制作を続けて、観客動員も伸びています。DUKE SHOPでのチケットの最速先行販売、グッズ特典付販売も好評で、やはりMONSTER baSHは弊社の事業の柱になっていますね。
一方で動員の内訳を見ると、関西圏を始め他の地域からいらしているお客さんがかなり多いんです。関西の皆さんは情報にも敏感でチケットの入手にも熱心。それはそれでありがたいことですが、内心、もっと地元の人たちに参加してもらいたいですし、そういう意味でも四国の音楽シーンが盛り上がっていって欲しいと思っています。地元の音楽ファンの掘り起こしは、今後の大きな課題ですね。
野外フェスらしい開放感に溢れたMONSTER baSH(国営讃岐まんのう公園)。今年は8月22、23日の開催で、全種のチケットがソールドアウト。2011年からはオフィシャル・ブックも「Do It Yourself」で自社発行している。平井料理システムによるケータリングも好評(写真は別イベント時のもの)