会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

被災地での言葉と音楽の力

被災地の現状を語る名久井麻利アナウンサーは、講演中、厳しい表情を崩しませんでしたが、最後には笑顔も見せてくれました

講演会の講師として登壇いただいたのは、東北放送のアナウンサー・名久井麻利さん。名久井アナは、震災が発生した時、宮城県気仙沼市でバラエティー番組の収録中でしたが、幸い判断のタイミングが早く、無事に避難した経験を持っています。中西会長との対談形式で、経験者でなければ語れない避難の過程を詳細に語っていただき、対話は「今、東北に何が必要か」というテーマに移っていきました。
「正解は一つではないと思います。被災地に足を運んだり、被災者の方に直接お話を聞くと、見えてくることがあるのも確かです。気仙沼の被災者の方に取材をさせていただいた時、私が何気なく『震災後』と口にしたら、『いや、まだ震災中です』といわれました。言葉一つで被災者の方を傷つけることもあれば、勇気づけることもあるのだと、その時に分かりました」
上記は名久井アナの報道に関わる立場からの発言ですが、一人の音楽ファンとして正直な気持ちも告白してくれました。
「私は音楽が大好きですが、震災を経験して、しばらくは音楽が聴けませんでした。ご遺体が納められている場所に行った後、ライブハウスで素晴らしいステージを観たのですが、全く受け止められませんでした。この時は自分でも驚きました」

一方で音楽の力に希望を見いだす発言があったことも記しておきます。
「大きな被害があった地域の方々が、ARABAKI ROCK FEST.を楽しみにしていたことも事実です。あの状況で、テントを張って音楽を楽しもうとしている姿を見ると、本当に音楽の力はすごいと痛感しました」
最後に名久井アナは「皆さんにはまず、東北の現状を知っていただければと思います。そして、同じことが皆さんの住む地域で繰り返されないよう、ぜひ災害への備え、防災をお願いいたします」という言葉で講演を締めくくりました。

講演会後は、仙台Rensaに会場を移して懇親会。場内では、宮城県石巻市雄勝町の漁師の方が海の幸を用意してくださり、同町の震災時の様子を伝えるパネルも展示されていました。写真左は、東北のプロモーターを代表して挨拶をした佐藤寿彦副会長


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