今年で11回目を迎えた東北地方を代表する野外フェス、ARABAKI ROCK FEST.は、東日本大震災の影響で、通常の4月末から8月末へと延期。初の夏開催となりましたが、2日間で120組以上の出演者が参加し、過去最高の入場者数(44,000人)を集めました。
その内容や方向性に、例年と大きな差異はありませんでしたが、あえて違いを挙げるとするなら、気仙沼出身・畠山美由紀の“畠山美由紀「我が美しき故郷よ」”名義での出演、公演のため震災当日も仙台に滞在していた、つしまみれの登場など、ラインアップからは震災で被害を受けた方々への思いが感じとれました。原発問題を歌う「サマータイムブルース」をカバーした泉谷しげる、女川をはじめ東北各地へエールを送ったソウル・フラワー・ユニオンなど、ステージからメッセージを送るアクトも少なくありませんでした。また、物販ブースではFES RING PROJECT(掲載はこちら)のタオルや、その売上を被災地の子供たちへの義援金とするコンピ盤『何ニモ負ケズ』が販売されていました。
運営面では、出演者の楽屋用の仮設プレハブを充分確保できず、テントで対応したり、発電機の調達に骨を折るなど、例年とは異なる状況を乗り越えて無事開催された今年のARABAKI。その開催自体にも大きな意味がありますが、参加者に希望と活力を与え、その地域を盛り上げる「場」であるフェスティバルの意義も改めて感じさせました。
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