会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

マイスペース株式会社

プロデュース部 部長 エグゼクティブプロデューサー後藤匡さん(写真左)
セールス&マーケティング部 広報担当兼プロデュース部 音楽担当筑田大介さん(写真右)
MySpace SECRET SHOWS JAPAN
http://www.myspace.com/secretshowsjp

MySpaceとはご存知の通り、30を超える国と地域に広がる世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス。登録ユーザーは2億人以上、800万組以上のアーティストやクリエイターなどがプロフィールや作品(音声ファイル、動画など)を公開していて、日本のアーティストの間でもプロモーションツールの一つとして定着しています。そのMySpaceが日本版をオープンした当初から、開催し続けているのが「MySpace SECRET SHOWS JAPAN」。ネット上で音楽を広げ続けているMySpaceが、ライヴにこだわる理由とは?マイスペース株式会社の後藤匡さん(プロデュース部 部長 エグゼクティブプロデューサー)と筑田大介さん(セールス&マーケティング部 広報担当兼プロデュース部 音楽担当)に伺いました。

WEBだけでは「リアル」が足りない

後藤:MySpace SECRET SHOWSはアメリカのMySpaceから始まったイベントで、メジャーなアーティストが、あえて500人規模のスペースで通常とは異なるメニューのライヴを行なうことが特長です。現在は世界30カ国で同様のライヴが行なわれています。アメリカでは、フレンド登録をしているユーザーにライヴの数日前に招待メールを送り、当日会場前に並んでもらって先着順に入場できます。終了後はMySpaceにお客さんの感想や写真とともにライヴ映像がアップされますので、一過性ではない継続的なプロモーションにつながります。
日本でのSECRET SHOWS第1回目は、MySpace JAPANのオープニング記念(2006年11月15日)として、オアシスのノエル・ギャラガーとゲム・アーチャーが出演しました。続いてKen Yokoyama、POLYSICS、GO!GO!7188、PE’Z+pe’zmoku、BENNIE K、リリー・アレンと今までに7回開催しています。不定期に開催してきましたが、今後は3カ月に1回くらいの割合でやっていきたいと思っています。

筑田:日本での認知が低い海外の新人アーティストの場合、例えばリリースのタイミングでSECRET SHOWSを行なって話題作りをして、次の単独来日公演につなげるプロモーションとして利用していただければと思います。

後藤:SECRET SHOWSはアーティストのプロモーションという意味合いで開催しているため、アーティストへのギャランティは発生しませんが、制作費は弊社の負担です。お客さんには通し番号入りのオリジナルポスターを差し上げますが、それもこちらがアメリカのSECRET SHOWSと同じデザイナーを使って制作しています。弊社のメリットは、サイトの活性化とユーザーの満足度のアップ、ブランディング強化が挙げられますね。やはりインターネット上のサービスだけでは、どうしても「リアル」が足りなくなりますから。ライヴという実体験を通して、MySpaceをより身近に感じていただくことが最大のメリットです。

合い言葉は「Go Major」「Go Global」

後藤:海外でのSECRET SHOWSとの違いは、アメリカのように会場前に行列して先着順に入場してもらうというスタイルが、道路交通法の規制があるために不可能なので、当選通知をプリントしたものやモバイルでアクセスしてもらってチケット代わりにしています。また、MySpace JAPANに登録しているアーティストは現在11万組いて、その80%がアマチュアで活動されているのですが、その人達に発表の場を与えたいということで、日本のSECRET SHOWSではオープニングアクトを募集しています。自分がリスペクトするアーティストと同じステージに立つというのは、モチベーションアップにもつながるようで、募集をかけると毎回多くの応募が集まりますよ。

筑田:コンテストページからワンクリックで簡単に応募ができるようになっています。音楽ジャンルや活動歴、映像など、オーディションに必要な要素はその人のページにすべて揃っているので、審査もスムースに進みますね。

後藤: MySpaceに登録しているインディーズのアーティストは、直接ライヴハウスからの出演依頼の連絡があったり、レーベルから誘われることも数多くあるようですね。登録アーティストからメジャーデビューしている方々も相当数いるようなのですが、毎月3300〜5000組、登録数自体が増えているので、我々
も追いかけ切れていないのが現状です。

筑田:MySpaceで掲げているのは、アマチュアやインディーズのアーティストには「Go Major」を、既にメジャーで活躍しているアーティストには「Go Global」をしてもらいたいということなんです。

後藤:それとアーティスト・クリエイター支援サービスということで、楽曲のダウンロード販売、オリジナルグッズ販売、e+でのチケット販売など「売り込み支援サービス」も提供しています。これらのサービスをうまく利用していただいて、日本でもMySpace世代のアーティストが数多く世界に羽ばたいてほしいですね。


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