会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

研修会公演ダイジェスト 今後の音楽の可能性について

「原点回帰」と明確なメッセージの重要性

講師 : 寺岡呼人(モンキービジネス代表/アーティスト/音楽プロデューサー)ナビゲーター : 中西健夫ACPC副会長(ディスクガレージ代表取締役社長)

1997年のJUN SKY WALKER(S)解散後はソロ・アーティスト、ゆずや植村花菜などのプロデューサー、そして07年からJ(S)Wを再結成し、一昨年には個人事務所を設立、代表に就任。様々な立場で活躍されている寺岡呼人さんに、今後の音楽の可能性についてお話を伺った。
事務所代表になってからプロモーターと直接会話をすることも多くなり、その大変さを実感しているという寺岡さんから「今日は中西さんに僕から質問させてください」という提案があり、対談形式の講演はスタートした。プロモーターの黎明期の話から始まって、プロモーターとエンドユーザーとの関係、キャリア・アーティストのプロモーションについてなど、幅広い質問が投げかけられた。
音楽業界については「原点回帰が必要」という寺岡さん。「J(S)Wの再結成を決心したのは、再結成に対するネガティブなイメージがなくなったから。もう一つ、J(S)W世代は30代半ばが中心ですが、ちょうど第二次ベビーブーム世代で、潜在的なお客さんは何百万人単位でいるはずなのに、ライブに行く習慣がないんです。そこを掘り起こせば、夏フェスや再結成バンドがもっと盛り上がるはず。また震災以降、ムードだけでは音楽を聴けなくなっていると思うので、今後はメッセージ性の強い楽曲でなければ、心に響かないと思います。ライブの制作側にも“このミュージシャンで、こういうライブを作りたいんだ”という明確なメッセージが必要ではないでしょうか」。
最後に「皆さんも最初は音楽が好きでプロモーターという仕事を選んだと思いますが、“音楽が仕事”になってしまって、以前と同じ気持ちを維持できているのか、ミュージシャンの立場として少々心配です。まずは自分の“原点回帰”を図って、音楽を好きでいる努力を惜しまず続け、いいライブを作ってください」とエールを送った。


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