会報誌 ACPC naviライブ産業の動向と団体の活動をお伝えします。

JASST「安全シンポジウム」にACPCから山崎会長、山本理事が参加

パネルディスカッションにはJASST幹事の方々だけではなく、ACPCやコンサート会場側からもパネラーが参加

6月18日、東京富士大学・二上講堂にてNPO法人 日本舞台技術安全協会(以下、JASST)の「安全シンポジウム」が開催されました。JASSTはコンサートや演劇、舞台等のスペース(=演出空間)の安全に関する調査や研究、安全管理、保全等を行ない、演出空間の安全強化を図る団体で、ACPCとのつながりはおよそ8年前より始まっています。これまでも両団体の懇談をはじめ、ACPCの人材育成研修会にてJASSTの清水卓治理事長に講演いただいたり、山本幸治常勤理事が前回の「安全シンポジウム」に参加し、その所感を本紙 Vol.4に寄稿するなど、ライブ・エンタテインメントの多様化、大型化にともない、より深刻な問題として浮き彫りになりつつある「舞台安全」をテーマに活発な意見交換が行なわれてきました。

基調講演を行なった山崎芳人ACPC会長

今回は、冒頭の片野豊JASST幹事会議長の挨拶(下記参照)に続き、山崎芳人ACPC会長が基調講演(同)を務め、第二部で行なわれたパネルディスカッション「コンサート業界の安全」では山本理事が登壇。このディスカッションには、JASST幹事の本多健二さん(日本ステージ)、伊藤均さん(クレア・ジャパン)、棚田行男さん(日本エム・エス・アイ)、遠藤文雄さん(ハートス)、鈴木義昭さん(シミズオクト)、コンサート会場側からは境野清さん(日本武道館)、狩野雅さん・石毛一男さん(横浜アリーナ)、さらにはACPC加盟社から蓮沼健さん(ディスクガレージ)が参加。厳しくなっていく仕込スケジュール、全体を統括できる責任者の不在、打ち合わせの不足、充分ではない過去の事故の原因の究明等、ステージ設営現場の安全を脅かすポイントがそれぞれの立場から挙げられ、ステージ設営業者、主催者、会場が三位一体となった安全対策、そしてアーティストやプロダクションを含めた意識の共有、現場の作業に際しての安全ルール作成の重要性が、オープンな場で話し合われました。

挨拶 : 片野 豊(JASST幹事会議長)

「ステージの設営や仕掛けなどのテクノロジーが発展するのに伴い、演出空間における危険が潜在化しています。世界的にも、大規模なステージの設営における事故が多発しており、その情報はたちまち世界中に流れてしまう。舞台上の危険への対策は、時代の要請といえます。不況でコスト面の制約もあるでしょうが、安全に手を抜くとそれが危険を高めてしまいます。 その一方で、中国の経済的発展に伴い、同地でもエンタテインメントへの注目度が高まり、市場も拡大傾向にあります。中国に加え、韓国、台湾でもアリーナやドームができつつあり、海外ミュージシャンが来日公演に留まらず、アジアツアーを行なうようになると思われます。その場合、アジア全体でどう安全を実現するか? という問題が生じます。アジアの各国にもJASSTのような組織があってほしいですし、そのような状況でJASSTは団体としての存在感をより大きくしていかなければなりません」

基調講演 : 山崎芳人(ACPC会長)

「コンサート業界における安全への取り組み方は、ここ10年を経て新たな局面を迎えつつあります。安全に関する教育を進化させ、次の課題に進む時期といえるでしょう。舞台設営を請け負う皆さんには現場でお世話になっているだけでなく、本年3月に行なったACPCの人材育成研修会では清水卓治JASST理事長にもお越しいただきました。とはいえ、私達の仕事において、舞台安全が中心とはまだ言い切れない部分もあります。舞台の安全な遂行のためには勉強を重ねなければなりませんし、そのために外部の意見も採り入れていきたいと思います。
 2009年のライブ・エンタテインメント市場は本数・動員ともに大幅に増加しましたが、今後数年でさらにライブの市場が伸びていくことも予想されます。ライブの実施には舞台を制作する方々のご協力が不可欠ですし、そのためにも舞台上の安全へ向けた取り組みを積極的に行なっていきます」


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