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定家崇嗣(デューク)

ACPCの役員だけではなく、広く加盟社の方々にも寄稿いただく「VOICE」のコーナー。今回、原稿を執筆いただいたのはデュークの定家崇嗣さんです。

「自分の考える夢のライブ・エンタテインメントって何だろう?」

自分で100%自由にブッキング&プロモートできるならどんな夢のライブ・エンタテインメントを提供したいのか、考えてみた。いろいろとやってみたいことはあるが、やっぱり「音楽が生活の中心となるきっかけのライブ」を開催したい。私はライブの素晴らしさと“力”を信じている人間である。

最近、しばしば聞く「ライブに人が入らないんだよね」「CDが売れないよね」。音楽業界で仕事をしている私が耳にするこの言葉…。なぜCDが売れないのか、なぜライブに人が集まらないのか…。CD販売数の減少には、多くの原因があると思う。配信事業、コピーCD、インターネットの普及など、挙げればキリがないと思う。その中でも“音楽”の在り方について検証したい。

私の学生時代には、“音楽”というものが、もっと生活の中心にあったと思う。みんなが持っているCDを買う。流行っているアーティストの曲を練習してカラオケに行く。人気バンドを真似てみる。ごくごく当たり前の行為で、みんながそうしていたから自分もそうしていたと思う。音楽を聴くのが好きだ。いや、音楽の話をするのが好きだったのだと思う。それは共通の話題として、そして人とのコミュニケーションのひとつとして。

現在はどうだろうか。ポータブルゲームや携帯アプリなど、どこでも一人でも遊べるものがやはり流行っているのだと思う。そして通信型のゲームやインターネットを介して知らない人と交信する。いまやコミュニケーションの中心が携帯電話であり、それに付随したものが流行り、必要とされる。“音楽”にお金を使わなくなってきているのではないかと思っている。昔より、コミュニケーションに使えるいろいろな“モノ”が他にも誕生したのだ。

では、どうしたら“音楽”が覇権を取り戻せるのだろうか。どうしたら興味を持ってもらえるのだろうか。“音楽”の素晴らしさを伝えることができるのだろうか。私は生の“音楽”に触れることで、ライブの素晴らしさや、人と共有する時間の素晴らしさ、その一瞬にしかない感情を表現したいと思う。

誰もが楽しみ、“音楽”を再認識してもらえる夢のライブとは何か。人気アーティストを出演させること、音楽を楽しめて他の施設も充実していること、家族で参加すること、好きな人と参加すること…人それぞれで満足するポイントには、違い・差がある。だからこそ、正直なところ作り手側のこだわりで「夢のライブ」ができるわけではないと思う。

ライブの「開放」こそ、最大のエンタテインメントとなりえるのではないか。朝から夜まで大勢のアーティストのライブを続けてやり、24時間テレビのようにライブの模様も舞台の裏側もテレビで放映する。もちろん入場料など必要ない。その日は“音楽の日”である。誰でも参加可能、途中で抜けてもいい、会場でもテレビでもとりあえず参加は自由。各地域で一箇所づつ開催が理想。日本中でライブサーキットを開催する。もちろん経費やスペースの問題、開催地などいろいろな問題があると思う。実現は限りなく不可能に近いものである。

夏に行なわれる“お祭り”は、誰でも参加可能だ。そして必ずその開催地では話題になり多くの人を集める。多くの人が準備をして、お祭り後にも街の話題になる。“お祭り”は多くの人を集める。なぜだろうか? それは誰でも参加できる・お祭り気分を共有できるという点が大きな要因ではないだろうか。誰でも参加できる音楽の祭典の開催により、ライブそして“音楽”に対する意識改革とならないだろうか。“音楽”がもっと身近にならないだろうか。

“音楽”の持つ大きな力を信じつつ、これからも大きな意味で“音楽”と付き合っていけたらいいなと思っております。いつもライブ後のお客さんの“いい顔”を見て逆に力をもらっています。もっと多くの人にコンサートに足を運んで欲しいと願っています。

定家崇嗣プロフィール

1981年生まれ。
2004年デューク入社。
現在は高松オフィス制作部所属。
四国を盛り上げていきたいと願っている。


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