会報:A.C.P.C.navi@Web

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ACPCからのご報告、音楽業界の最新ニュースをお伝えしつつ、広く皆様からもご寄稿いただく連載コーナー「navi ARENA」。
ACPCと加盟社の方々のコミュニケーションが広がる情報アリーナを目指します。皆様からの情報・投稿もお待ちしています。

A.C.P.C. naviYearbook 2010、 制作中です

『Capa』というタイトルで、加盟社以外からも好評をいただいていた調査報告書がリニューアル。

 本会は平成21年度の調査研究事業として、調査情報年鑑『A.C.P.C.navi〜Yearbook 2010』を制作いたします。この年鑑は「会館に関する調査研究報告書」「ライブに関する有識者からの提言書」「協会の活動報告書」の要素を備えた冊子で、過去には『Capa』の名称で平成13年度と14年度に発行しています。

これまでに刊行された『Capa』

これまでに刊行された『Capa』

 主な内容は、全国の主要な公演会場の基本情報(設定キャパシティや所在地、連絡先など)と、プロモーター一覧のリストを予定。リスト以外にもライブ・コンテンツの市場規模の推移や、ライブに関わる事業者などからの提言を通して、ライブ・エンタテインメント産業の動向をお伝えします。また、この度の調査研究においては「安全に関する調査」という新たなテーマを設けており、「公演における安全」を考える特集も予定しております。皆様と情報共有ができ、業務にもご活用いただける内容を目指す本年鑑は5月の発行予定です。

岡田哲理事が参加「危機管理」を語るセミナー

 セミナーに参加する岡田理事(左から2人目)

セミナーに参加する岡田理事(左から2人目)

 昨年12月3日、兵庫県のたつの市総合文化会館赤とんぼ文化ホールにて、平成21年度文化庁委託事業「近畿ブロックアートマネージメント(業務管理委員会)研修会」が開催されました。これは近畿地区の公立文化施設職員の方々を対象とする研修会で、今回は「自主事業公演の中止・延期の諸問題への対策」がテーマでした。このセミナーに、ACPCから岡田理事が参加し、パネルディスカッション「新型インフルエンザ対策等に伴う公演中止・延期に係る諸問題について〜事例から学ぶ〜」にて、関田正幸さん(社団法人日本クラシック音楽事業協会副会長)、水畑孝之さん(いずみホール副支配人)、花野雅子さん(神戸文化ホール事業課長)と、公演の中止・延期の事例を基にディスカッションを行ないました。

 討論では「中止・延期対応のマニュアル化とその実践」「中止・延期に備えた招聘元と会館の打ち合わせ」「メディアでの告知」など、様々な角度からテーマを検証、危機管理能力を高めるためには普段からの取り組みが重要であることを改めて確認し、セミナーは好評をもって終了しました。

大阪厚生年金会館「感謝の集い」開催

 2010年3月31日をもって、惜しまれながらその営業を終了する大阪厚生年金会館にて、2月16日に「感謝の集い」を旨とするセレモニーが開催されました。同館のホール機能存続を訴え続けてきた在阪のプロモーターを含むホール利用者に加え、同館のブライダル、集宴会、ホテルやレストランの利用者、および地域自治体や地元町内会の方々など、同館と縁のある多数の方々が参加。会館にまつわる思い出を語り合いました。

 同館は昭和43年に大型の文化施設として設立され、42年にわたり営業、ホールだけでのべ3200万人、同館全体では約4200万人の方々に利用されてきました。ホールを中心に行なわれる文化的事業の発展を支え、地域振興にも大きな役割を果たした、関西の文化的なシンボルでもある同館。そこから生まれた人の輪の大きさ、会館の存在意義を痛感させられる催しとなりました。

衝撃の原点

私がこの仕事に就いたきっかけ 北岡良太(サウンドクリエーター)

ACPCの役員だけではなく、広く加盟社の方々にも寄稿いただく「VOICE」のコーナー。今回、原稿を執筆いただいたのはサウンドクリエーターの北岡良太さん。皆さんにもコンサートプロモーター、イベンターという仕事に就いたきっかけがあると思いますが、それが北岡さんにとっては「衝撃の原点」でした。プロへの第一歩を印した「現場体験」を本当に活き活きと描いてくださっています。

 私は京都の大学を卒業後、サウンドクリエーターに入社し、2010年の4月で6年目を迎えます。私が「イベンター」という職業に就いてから5年の月日が経とうとしています。

 そもそも私は、学生時代から特に音楽の仕事をしたいという願望はなく日々の生活を送っていました。しかし、今関われているこの仕事は自分自身にとって、とても魅力に溢れた空間であり、毎日が刺激に溢れています。この5年間の経験は、自身のこれまでの人生においても大きな糧になっていくと実感しています。そんな私がこの仕事に就くきっかけとなった、転機とも言える体験について書かせていただこうと思います。

 大学4回生の頃、何を目指すわけでもなく、卒業後の進路を全く考えずに過ごしていた私に、ある知人から突然「イベンターのアルバイトに行ってみない? 君のようなタイプの人間にとっては良い仕事かも知れないよ」とお誘いを受けました。イベンターが何をする仕事かも分からず、当日のコンサート現場と集合時間だけを告げられ、言われた通りに現場へ向かいました。この日に訪れたコンサート会場は、「高台寺」という京都のお寺でした。今考えると、関西のイベンターならではともいえる現場であり、イベンターの仕事を初めて経験する私にとっては特別すぎる環境でした。学生時代は飲食店の厨房でアルバイトをしていた私でしたが、もちろん初めてのコンサート現場で何をできるわけでもなく、その場にいる人たちをただ観察し、アルバイトに来ている同世代の学生たちのお手伝いを僅かながらできるという状況でした。朝早くからトラックに積まれた機材を降ろし、寺の境内にステージが設営され、スピーカーや照明と思われる機材がどんどん組み立てられ、境内の外ではたくさんのテントが設営され、机や椅子が並べられていきます。正午頃になり、ようやく一通りの作業が落ち着いたと思っていると、携帯電話で忙しく話をする人や、一つのパソコンの画面を何人もの人が囲み、ミーティングを行っています。そこにいる全員が、ほとんど休むこともなく何かを進めていきます。幸いにも好天で、日没が近づくに連れてどんどんお客さんが集まってきます。そして、日が沈んだ頃にライブがスタートしました。ライブが始まった瞬間、自分の背中は凍りつき、全く身動きできない状態になっていました。日本の伝統的な建築物が見事にライトアップされ、これまでに見たことも触れたこともない、絵と音の空間が描かれていました。客席は静まり返り、お客さんの視線は全てステージへ向けられ、涙を流す人もたくさんいました。ライブはあっという間に終了し、お客さんは高揚感溢れる足取りでお寺の外へと帰っていきます。機材やテントが片付けられ、気付けばもとのお寺の光景へと戻っていました。

 当時の私にとって、この日行われたことの全てが一瞬の出来事のようでした。一日中ぼんやりと過ごしていたはずなのに、何か大きなものが私の心の中に残り、心臓が痺れるような衝撃の体験となりました。全ての作業が終了し、私にも作業終了が告げられ帰宅しようと挨拶をしていると、当日の現場責任者の方に声をかけられました。「いつか一緒に仕事をしよう」。この日その方と交わした唯一の言葉でした。このコンサート現場を経験した日を境に、自分の中で何かが大きく変わり、卒業後の進路はイベンターを志望。限られた残りの学生生活はライブと音楽漬けの日々を過ごしました。

 きたおか  りょうた

 当時、京都のコンサート現場で感じた衝撃は今でも鮮明に残っています。今ではその衝撃を自分がお客さんに提供する立場にいます。人の心を動かすライブには、アーティストやライブに関わる全てのスタッフの綿密な計算、そしてライブだからこそ起こりうる計算外の化学反応。たった一つのきっかけで、感動が何倍にも大きくなる瞬間。私もイベンターとして感動の一端を担えるよう、日々感覚を研ぎすまし、ライブと向き合う姿勢を貫き、その一瞬一瞬が賞味期限であるライブをこれからも大切に、楽しみながら関わっていこうと思います。

 「いつか一緒に」と声をかけてくれた方は、今でも私の上司です。最後になりますが、ライブを大切にしながらも、これまでの出会い、そしてこれからの新しい出会い、音楽を軸に繋がり続けていく全ての人に感謝いたします。

SPRING 2010 VOL.06
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